透析膜とは
透析膜とは透析治療に用いる専用の医療用品です。
原理としては溶媒分子を膜を通じて移動させることで、膜を通過しない高分子の塩分や老廃物を除去します。
移動時は常に純水と触れさせることによって、透析膜との濃度差を利用する仕組みです。
透析膜は大きく分けて二種類です。
一つ目はセルロース系膜で、再生セルロース膜などが代表的です。
特徴としては強度が高く、適度な透水性を維持しています。
低分子量物質の除去にも優れており、表面改質再生セルロース膜やセルロースアセテートなど様々な上位互換品も販売されています。
二つ目は合成高分子系膜です。
比較的最近開発されたタイプで、低分子量蛋白物質の除去能力や生体適合性の面で優れています。
代表的なものとしては、ポリアクリロニトリール(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエステル系ポリマーアロイ(PEPA)などがあります。
どちらを使用するかは医師の判断によりますが、近年のスタンダードは合成高分子系膜です。
生体適合性に優れているためで、幅広い患者に使用することができます。
また、物質除去能力が高いこともあり、効率的に透析治療を行うことが可能です。
ただし、機械的強度に劣る面から長時間の透析治療に耐えにくいという欠点もあります。
いずれにしても、患者の症状や身体状況に応じて透析膜の種類を厳選することが求められます。
治療に不備を生じさせないためにも、事前に医師とのカウンセリングを行っておきましょう。