透析患者の過酷さ
透析患者は必要な治療を施さなければ、寿命を縮めてしまいます。
透析治療を行っても身体に掛かる負担は大きく、決して予断を許す状況ではありません。
最も大きな負担となるのがドライウエイトです。
これは体内の水分量を調節して体重制限を行うことです。
透析患者は排尿機能が低下しており、体内に水分が溜まってしまいます。
溜まった水分は人工透析で短時間に身体から抜くため、脱水症状を引き起こします。
この脱水症状を軽減するためにも、ドライウエイトで体内から人工透析で抜く水分量を控える必要があるのです。
ドライウエイトの目安は担当医と相談して決めることになります。
水分過多の症状が無ければドライウエイトの制限は緩やかで、それほど厳しい基準に定められることはありません。
しかし腎機能が完全に失われていて水分過多の症状がある場合は、日頃の水分量を節制してウエイトオーバーにならないように気をつけましょう。
ドライウエイト制限中の注意点としては、熱中症対策をしっかりと行うことです。
体内の水分が不足している状態ですので、身体に熱を溜めてしまうと熱中症のリスクが高まります。
そのため、暑い日はなるべく外出しない、直射日光を浴びないなどの対策を行いましょう。
透析患者が治療に臨む環境は非常に過酷です。
日頃の水分を節制する作業ひとつでも大きな負担が掛かってしまいます。
周囲の看護が必要なだけではなく、治療にまつわる苦労も理解してあげるようにしてください。