透析治療に欠かせないシャント
透析治療を行う際には、1分間に150mlもの血液を外部の機械へ循環させなくてはなりません。
そのため一般的な採血などに針を刺す静脈だけでは充分な血液を外部へ流出させることはできず、専用の血液の取り出し口が必要です。
この取り出し口として使用するのがシャントです。
シャントは利き腕とは反対側に作ります。
静脈と動脈を繋ぎ合わせる手術が必要ですが、大抵の病院では日帰り入院で済ませられます。
麻酔も局部麻酔だけで済むため、手術後の経過が順調であれば当日のうちに日常生活を送って構いません。
手術後はシャント部に負担を掛けないことが大切です。
例えば、重い物を持たない、腕時計など圧迫する物をつけない、など一般生活で気をつけなければならないことも少なくありません。
一般的にシャント部は横向きに作ることが大半です。
したがって、パソコンのキーボードを叩くなど日常生活に不便を感じることは無いでしょう。
シャント部をかばうことは必要ですが、あまりにも腕を使わないようにしていると握力や筋力が落ちてしまいます。
そのため、軽いハンドグリップなど、ちょっとしたエクセサイズを取り入れると良いでしょう。
シャントを作った後は血液の流れが正常か確認する習慣をつけてください。
正常であればシャント部に耳を近づけると血液が流れる音が聞こえます。
脈打つような音に変わってしまうと危険信号ですので、すぐに病院で観てもらいましょう。
シャントは透析治療に必要な命綱とも言えますので、しっかりした管理を行ってください。