透析液について
腹膜透析に使用される透析液には、血液中の老廃物を除去するだけではなく血液中の栄養素を補充する役割があります。
どのような栄養素を補充するかは症状によって異なり、それぞれの透析患者に応じたものが処方されます。
透析液の組成としては、ナトリウムが含まれています。
ナトリウムは浸透圧調整の役割があり、透析液には欠かせない成分です。
透析により摂取するため、食事ではナトリウムを摂りすぎないよう気をつけてください。
また、透析液にはカリウムも含まれています。
腎不全患者はカリウムを体内に溜めやすいため、透析によって除去します。
この際、急激にカリウムが減少してしまうと心筋に刺激伝導の障害が起こってしまうことから、透析液にカリウムを含ませています。
腎不全になるとビタミンDが不足してしまい、カルシウムを効果的に吸収することができません。
そのため、透析液にカルシウムを含有して不足分を補っています。
最近は活性化ビタミンD剤が開発されており、透析液からカルシウムを摂取する必要性が低くなりました。
活性化ビタミンD剤を服用できないのであれば、透析液からカルシウムを補給しましょう。
腎臓の機能が低下すると血液のphを保つ役割が無くなってしまいます。
この対策として透析液に重炭酸を含んでいます。
重炭酸を摂取することによって血液の酸性化を防ぎ、phを下げることが必要です。
透析液には様々な成分が含まれており、それぞれ透析患者の生命を維持することに役立っています。